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インダストリー4.0とは

インダストリー4.0は「第四次産業革命」とも称され、ドイツを起源とした国家プロジェクトです。ここではインダストリー4.0とはなにかを詳しく解説していきます。

目次

  1. インダストリー4.0とは
  2. インダストリー4.0を実現するための四つの設計原則
  3. 相互運用性
  4. 情報透明性
  5. 技術的進歩
  6. 分散型決定
  7. インダストリー4.0の採用で得られるメリット

インダストリー4.0とは

インダストリー4.0は「第四次産業革命」とも称され、ドイツを起源とした国家プロジェクトです。導入方法や手段はさまざまですが、IT技術を駆使して、製造業を改革していこうとする取り組みであり、日本もその影響を受け、多くの企業で取り入れる動きが見られます。

ICT技術によって生産性向上などを目指す点において、インダストリアル・インターネットと混同されることがありますが、インダストリー4.0は工場内の生産性アップを目的としているのに対して、インダストリアル・インターネットは顧客までも包括した新しいビジネスモデルを作ろうとしているところに違いがあります。またインダストリー4.0の世界では機械同士などのモノが繋がる点も特徴の一つです。

インダストリー4.0を実現するための四つの設計原則

製造現場でインダストリー4.0を実現するためには、四つの設計原則があります。

相互運用性

一つ目は相互運用性です。
これがモノ、ヒト問わず、生産活動に関わる全てをつないでいくことを意味します。工場の中の機械同士だけでなく、ヒトのサポートとして機械を使ったり、地理的制約を超えた拠点間の情報共有したりと、情報を密接にやり取りすることが目的です。

情報透明性

二つ目は情報透明性です。
センサーやデバイスで収集したデータが活用されなくてはせっかくの資産価値がなくなってしまいます。誰もが見られる状態にしておき、従業員一人一人がデータの使い方を考えられる体制を作っておくことが発展への近道となります。

技術的進歩

三つ目は技術的進歩です。
人の負担を軽減することが進んでいけば、生産活動の効率化が図れるだけでなく、働く人の安全を確保することもできます。重労働、危険労働となっている部分を機械に任せられると、その業務を担当できる人が増えるのもメリットの一つです。

分散型決定

四つ目は分散型決定です。
業務ごとに状況に応じた判断や意思決定を分散させることで、あらゆる局面での最適な判断をすることができます。今起きている状況をリアルタイムで反映しながら、自動的に意思決定していくことが可能となります。

インダストリー4.0のコンセプトは「考える工場」すなわちスマートファクトリーといわれています。AI技術やビッグデータを活用し、リアルタイムで処理していくシステムを整えることで、人が数えていた在庫数がセンサーを使って一瞬で分かるようになったり、生産ラインの稼働時間が一目で確認できるようになります。
将来的には学習を重ねたAIが工場の生産調整や稼働率の計算、納入先や納入時間といったデータをもとに、自律的な判断で製造から納品までを管理することも可能になるといわれています。このようにインダストリー4.0によって工場は大きな変化が期待されます。

インダストリー4.0の採用で得られるメリット

インダストリー4.0を採用することで得られるメリットとしては、工場の完全自動化が実現できることです。
工場内にある多くの機器がそれぞれ繋がっていくことにより、人が介在する余地がどんどん減っていきます。発注のオーダーが入ってから納品するまでの全ての工程を完全に自動化することも夢ではありません。
自動化する際に問題となりやすいのはイレギュラー発生時の判断です。「自動でイレギュラーを検知して、常に最適な対処を実行する」というのは非常に複雑なシステム構築が必要となる為、まずは定期メンテナンスや故障時の対応は人の手で対処することにしておく場合もあります。

また工場の稼働率の平準化も可能となります。
インダストリー4.0の導入で、一つの生産ラインでさまざまな製品の生産に対応可能ならば、各ラインの稼働率を平準化することも可能です。製品を作るために新しいラインを構築する必要もなく、コストダウンも同時に実現できます。

しかし、セキュリティーはこれまで以上に気をつける必要があります。
インダストリー4.0はIT技術をふんだんに活用しており、全てが情報ネットワークでつながっているだけに、一度外部からの侵入を許してしまうと、全ての機器にアクセスできてしまうことに繋がりかねません。どこか一部でも障害で止まってしまうと、工場全ての生産が止まってしまうことも考えられるため、セキュリティや障害への対策が必須です。

しかし、顧客が求めるのは単に製品だけではありません。顧客に対するサービス品質も満たさなければ、価値のあるものが提供できているとはいえません。製品を作って売るまでが終わりではなく、アフターフォローや買い替えのタイミングまで含めた、ライフサイクル全体を見据えた最適化が必要となります。インダストリー4.0 が発展していけば、リアルタイムの要望を吸収することもでき、製品のプロダクトサイクルを速めることもできます。

インダストリー4.0が進んでいくと純粋な作業は次々に機械に置き換えられるでしょう。反対に単純作業に使っていた時間を新サービスの提案や、新しいビジネスモデルの構築などに使うことができれば、企業としてこれまで以上に発展していく事ができ、従来は生産に関わっていた社員にそういった提案のチャンスを与えれられる事も可能です。
データの収集が容易になる反面、そのデータの活用方法を検討していく方に人の価値はシフトしていくと考えられます。データを使ってAIに学習させることができれば、速く正確な生産を目指すことも可能となります。ニーズに的確に対応しながら、効率化を目指していくことで、企業の価値向上につなげることができるのです。

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