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産業用ロボット市場におけるメーカーシェア

世界的に労働力不足の解消や製造業の自動化のための手段として、多くの産業用ロボットが活用されています。産業用ロボットの年間世界販売台数は増加傾向にあり、2035年には日本のロボット市場は10兆円規模になるという予測もされています。その中でも特に製造業における産業用ロボットの活用は高いシェアを維持するものと考えられています。

日本をはじめ欧州では労働人口不足が深刻化していくと考えられており、中国や東南アジアでは人件費の高騰や品質向上を背景に、今後は様々な業種でファクトリーオートメーションを更に推し進めていく必要があります。ファクトリーオートメーションを更に発展させていくために、今後活用が期待されているのが産業用ロボットです。こうした背景からも長期的に産業用ロボット需要は拡大し、市場も成長していくことが予想されています。

2019年は米中貿易摩擦を原因として産業用ロボット市場の成長率はマイナスとなりましたが、終盤には回復の兆しが見えました。しかし、2020年の産業用ロボット市場はコロナウイルス感染症の影響により世界的に低迷し、売上高としては前年度比で3.6%減、出荷台数も3.7%程度減少すると予想されました。しかし、このような低迷期は長くは続かず、2021年にはこの状況を脱してV字回復するものと予想されています。感染症拡大といった予期せぬ事態により、売上げが一時的に低迷することにはなりましたが2021年以降は成長が期待されています。

産業用ロボット市場におけるメーカーシェアは、世界的に有名なロボットメーカーが大部分を占有している状況です。それがファナック、安川電機、ABB、KUKAの4社です。
上位4社の中でもファナック、安川電機の日本企業2社が存在し、産業用ロボット市場に大きなインパクトを与えています。

目次

  1. 【ファナック】工作機械用NC装置世界首位、産業用ロボや小型マシニングセンタも
  2. 【安川電機】産業用ロボットの累積台数世界首位
  3. 【ABB】世界100ヶ国以上でビジネスを展開する多国籍企業
  4. 【KUKA】オートメーションソリューションのグローバルリーダー
  5. まとめ

【ファナック】工作機械用NC装置世界首位、産業用ロボや小型マシニングセンタも

ファナックは産業用ロボットにおける国内屈指の企業で、工作機械向けのCNCシステムなどのFA事業とロボット事業、小型マシニングセンタや射出成型機などのロボマシン事業を3つの柱として、製造業向けオープンプラットフォーム「フィールドシステム」にも取り組んでいます。

中国市場を中心としたアジア地区、アメリカやヨーロッパなど世界各国に進出するなか、特に好調な事業環境が続いている中国では、産業用ロボットにおけるシェアの首位を獲得しています。

業績はコロナ禍においても好調で、中国からの受注に加えて、アメリカからも自動車向けのロボット需要増により受注も増加しています。2020年、第三四半期のロボット受注は過去最高を記録しました。

【安川電機】産業用ロボットの累積台数世界首位

安川電機は産業用ロボットとモーションコントロールが収益の二本柱となっています。モーションコントロールはACサーボモータなどが主要製品です。産業用ロボット業界では、ファナックとともに、日本を代表する企業です。産業用ロボットは「MOTOMAN」ブランドで展開し、アーク溶接ロボットの世界シェアもトップクラスで、完成車メーカーや自動車部品メーカー、液晶製造装置メーカーなど幅広いユーザーにロボットを納入しています。近年では小型ロボットの分野も強化していて、新機種の「MOTOMAN-GP4」を発売しました。

【ABB】世界100ヶ国以上でビジネスを展開する多国籍企業

ABBはスイスに本社を置き、130年以上にわたる歴史がある多国籍企業です。世界中でビジネスを展開し、日本ではABB株式会社と関連数社を設立し、ABBのロボットは金属加工分野から、完成車メーカーや自動車部品メーカー、プラスチック分野といった幅広い分野で利用されています。昨今では、人と共に作業をする協働ロボット分野に注力しており、2015年に発売された協働ロボットに続いて、2021年には6軸多関節の高可搬型の協働ロボットや、最大4kg可搬の高速かつ高精度な産業用協働ロボットを発売しました。

【KUKA】オートメーションソリューションのグローバルリーダー

KUKAは中国の美的集団の子会社で、ドイツに本社を置く産業用ロボット及びファクトリーオートメーション関連機器のメーカーです。KUKAロボティックスは世界に25の拠点があり、日本にもKUKA Japan株式会社が設立されています。
KUKAの産業用ロボットの応用分野は、自動車産業をはじめ半導体、食品、建設といった幅広い産業で利用されています。可搬質量やリーチ長さに関して、あらゆる要求に対応する幅広い製品ラインナップが特徴です。また、PCベースのコントローラーを世界に先駆けて開発し、ウインドウズプラットホームをベースにシステムインテグレーションの簡易化と周辺システムとの円滑なコミュニケーションを実現しています。

世界の産業用ロボットメーカーで「4強」と呼ばれる4社のうち2社を抱える日本は、世界の販売台数の半分を占めています。また、2019年の産業用ロボットの出荷台数は、中国が第1位、次いで日本が第2位となっており、日本が世界的なロボット生産国であることがわかります。稼働台数においても同様の結果となっており、日本は産業用ロボットの導入が進んでいる国の1つです。国内の生産台数は右肩上がりで上昇を続けており、日本産の産業用ロボットは世界的なシェアを誇っています。

まとめ

当社では、ものづくりにおける省人化・省力化設備の開発・設計・製造、また画像処理による検査・測定・識別・ロボットガイド等を活用したソリューション提案から行っております。また、国内三社のロボットメーカー(安川電機・川崎重工・三菱電機)のSIerパートナーとして認定いただいており、ロボットプログラム・ラダープログラムはもちろん、PCを利用した制御システムの開発も可能です。自動化、省人化をご検討の際やお困り事などございましたら是非当社へお声がけ下さい。

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