ロボット工学三原則
第1条
ロボットは、人間に危害を加えてはならない。
また、その危険を看過することによって、人間に危害を及ぼしてはならない。
第2条
ロボットは、人間に与えられた命令に服従しなければならない。
ただし、与えられた命令が、第1条に反する場合はこの限りではない。
第3条
ロボットは、前掲第1条および第2条に反するおそれのない限り、自己を守らなければならない。
アイザック・アシモフ「われはロボット(決定版)」(2004年早川書房)より引用
この三原則は換言すれば「安全で操作しやすく、壊れない」とも表現でき、その後のロボット研究の方向性に影響を与えたとも言われています。人工知能(AI)が発達し、SF小説の世界が現実のものとなりつつある中で、近年改めて「ロボット三原則」に注目が集まっています。
産業用ロボットの歴史は1950年代の米国から始まります。54年にエンジニアであり起業家のジョージ・デボル氏が、一度動作を記憶させて(ティーチング)、その動きを再生する装置を考案しました。
これはティーチング・プレイバックと呼ばれ今日の産業用ロボットでも採用されています。
一度記録させた動作を繰り返し行うプレイバックロボットは、簡易的なものであったものの、操作するために専門的な知識や訓練を必要としない点が画期的でした。
実用化されたのは60年代に入ってからで、61年には先述のデボル氏が立ち上げたユニメーション社が産業用ロボット「ユニメート」を発売
日本でのロボット生産の歴史はこの「ユニメート」の国産化から始まりました。
川崎重工業が米国ユニメーション社と技術提携を結んだ翌69年に産業用ロボット「川崎ユニメート2000型」の製造販売を開始しました。
1970年代のオイルショックは世界的なガソリン不足を招き、燃費の良い日本車の人気がア メリカで急上昇した。急激に対米輸出が増えたため、各自動車メーカの生産台数が急増し、生 産ラインの生産性を上げる為、自動化が急務となりました。
ユニメートは自動車メーカのスポット溶接など多くの人手が必要とされた工程に導入され数年にわたってベストセラーになりました。
その後、他の企業も市場に参入し、研究開発が活発化しました。
ユニメートなど、初期の産業用ロボットは極座標と呼ばれ左右・上下への旋回軸と直線の伸縮軸からなるものが多く、現在主流の垂直多関節ロボットとは軸構成が異なっています。
垂直多関節型ロボット
70年代後半から垂直多関節型ロボットが多くみられるようになりました。より複雑な作業を行えるようになりました。
協働ロボット
2009年に発売されたUniversal Robots UR5をはじめとしてリシンク・ロボティクス バクスターなど「協働型ロボット」と呼ばれる従来の産業用ロボットと比較した場合、小型、軽量に作られており、省スペースで運用が可能なロボットが誕生しました。
日本においては、出力80ワット以上の産業用ロボットについては、「柵で囲い人間の作業スペースから隔離しなければならない」という国内規制が存在していましたが2013年12月にこの規制が緩和され、「ロボットメーカー、ユーザーが国際標準化機構(ISO)の定める産業用ロボットの規格に準じた措置を講じる」などの条件を満たしていれば、出力80ワット以上の産業用ロボットでも人間と同じ作業スペースで稼働させることが可能となりました。
この規制緩和によって、従来は産業用ロボットを設置できなかった場所でも産業用ロボットを活用できるようになりました。
日本でも川崎重工「duAro」三菱電機「ASSISTA」FANUC「CRシリーズ」安川電機「HC-10」など多くの協働ロボットが発売されています。
また、弊社では、安川電機、川崎重工業、三菱電機といった大手ロボットメーカーからパートナー認定されており、各社ロボット使った装置の導入をお手伝いすることができますので、お気軽にご相談下さい。