ファクトリーオートメーション(FA)サービスサイト:株式会社三松

産業用ロボットの種類

日本工業規格(JIS)では産業用ロボットを「二つ以上の軸についてプログラミングによって動作し、ある程度の自律性をもち、環境内で動作して所期の作業を実行する運動機構」と定めています。

ここで言われているとはサーボーモーターなどのアクチュエータのことを指します。 アクチュエータは対偶とも呼び、ロボットはモーターなどの回り対偶、ボールねじ・スライダーなどの滑り対偶で構成されています。

目次

  1. 軸構成による分類
  2. 垂直多関節
  3. 水平多関節
  4. 直交座標型
  5. パラレルリンクロボット
  6. 極座標型ロボット
  7. 用途による分類
  8. パレタイジングロボット
  9. 塗装用ロボット
  10. 溶接用ロボット
  11. その他分類
  12. 協働型ロボット
  13. まとめ

軸構成による分類

まずは構成(対偶の組み合わせ)による分類を紹介します。

垂直多関節

現在最も普及しているタイプの産業用ロボットです。 6つ以上の回り対偶で構成されており他の構成のロボットと比較すると価格が高く制御も難しいですが、設置面積に対して作業範囲が広く、人間の腕の構造に近い構成のため 回り込みのある作業にも対応できます。 組立から搬送まで様々な用途で使用されています。

水平多関節

スカラ型とも呼ばれる水平方向の動きに特化したロボットです。 3つの回り対偶と上下方向の滑り対偶で構成されています。 垂直多関節のような回り込みのある作業はできませんが 4軸のみで構成されているため価格が安く平面的な作業に向いています。 半導体ウエハの搬送や基盤の組立など幅広く利用されています。

直交座標型

ガントリー型とも呼ばれるXYZの三方向に配置されたすべり対偶のみで構成されたロボットです。 作業範囲に対し設置面積が大きく、複雑な作業はできませんが 価格が安く、精度が高いため小さな部品の組立、半導体、医療、薬品の分野で多く使われています。

パラレルリンクロボット

3つの回り対偶とリンクで先端部の位置を制御するロボットです。 可動範囲はやや狭いですが非常に高速に動くことが出来ます。 コンベア上のピッキングなどによく利用されています。

極座標型ロボット

旋回軸と上下回転を行う二つの対偶とツールの姿勢を決定する2つの対偶 アームを伸縮させるすべり対偶で構成されています。 初期の産業用ロボットで多く採用されていた構成ですが現在ではあまり採用されていません。

用途による分類

パレタイジングロボット

荷物の積み上げ(パレタイズ)や積み下ろし(デパレタイズ)に特化したロボットです。 見た目は垂直多関節ロボットに似ていますが垂直多関節ロボットとは異なり回り込む作業には適していません。しかし垂直多関節よりも大きい可搬重量のロボットが用意されています。

塗装用ロボット

塗料は可燃性のものが多いため塗料の侵入や爆発を防ぐ防爆仕様が必須となります。 スプレーガンのみをもつため可搬重量は小さく、可動範囲が広いことが特徴です。

溶接用ロボット

溶接用のロボットでなくとも溶接は可能ですが溶接用ロボットはトーチやプログラムなどシステムの構築を容易にする工夫がされています。 溶接機も併せて製造しているロボットメーカーもあります。

その他分類

協働型ロボット

アームの出力制御、安全センサーなどで人に対する安全性を確保できるロボットです。 2013年の労働安全衛生規則の改定により安全柵無しでロボットを設置することが可能になりました。 従来の産業用ロボットと比べユーザーが自分でティーチングやプログラムをしやすい工夫がなされています。 協働モードの場合は動作速度に制限がかかり作業スピードが落ちてしまいますが 安全センサと連動することにより人が周辺にいない場合は従来の産業用ロボットと同等のスピードで作業を行うことが出来ます。

まとめ

このように作業によって適したロボットがあります。 価格と要求性能など考慮する項目は多く選定は難しく感じたかもしれません。 弊社は国内三社のロボットメーカー(川崎重工・三菱電機・安川電機)よりSIerパートナーの認定を受けており、ロボット技能講習も定期的に開催しております。 ロボットを導入したい、導入したがうまくいかない… そんな時はぜひ弊社にお任せください。

ファクトリーオートメーション コラム集

このサイトで掲載している記事をコラム集としてまとめてダウンロードしていただけます。

この資料をダウンロードする

関連記事