FA機器の機能
FA機器には次のような機能と役割があり、それぞれの組み合わせと最適化で生産工程の自動化を行います。
操作する
人の判断で機械と設備を動かします。スタートスイッチ、タッチパネルを操作し生産を開始したり停止したりします。
制御する
制御とはPLCやPCなどにプログラムされたプログラム通りに動きをコントロールし内部のカウンター、タイマー、温度データ、事前に入力されたデータをもとにし決められた動作をします。
駆動する
操作や制御の結果PLC、PCからの出力信号をモータや産業用ロボット、ソレノイドバルブを通して空気圧用シリ ンダーに伝えることにより装置が駆動し生産が行われます。
検出する
適切な制御を行うためには生産対象の状態を検知し動作を行う必要があります。そのために必要なところに適切なセンサーを配置し対象を検出する必要があります。
表示する
各機器に異常がないか、正常動作しているかを操作者に表示します。機械が一見すると止まって見えても何らかの 条件で突然動き出しては非常に危険です。そのためパトランプなどで周囲の人が見て分かるように表示したり異常 の内容を表示し対応を示すことも可能です。
FA機器のメリット
コスト面
FA化が進んでいない工場などは人の手によって材料を加工したり、運搬したり、検査したりしますが、同一モ デルを一定以上生産する場合自動化することによってコストの削減が可能になります。設備単体では高額に 見える導入費用ですが長い目で見ると設備の維持費用のほうが安価になることが多いのです。 生産工場の業種を問わず様々な場所で導入できますが人権費に対して何年で設備投資を回収できるかを十分検討 して導入する必要があります。
生産性
日々のメンテナンスや工程に最適な運用が行われている場合、人間が行う作業より品質の向上が見込めるだけで はなく高度に自動化された生産ラインでは24時間化を行い設備稼働率の最大化により大幅な受注増に対応すること が可能となります。
安全性
重量物や有害物質を使用する生産現場では事故による労働災害や、健康リスクなどが懸念されることからそのよ うな作業を機械化することにより作業者の精神的、肉体的負担を低減し、作業に人が介在しないことによって安 全性向上などのメリットが見込めます。
FA機器の課題
FA機器の導入が難しい現場も多く存在し、複雑な構造の製品を生産検査する場合や少量多品種生産などは現状の 技術でも対応することが難しい場合があったり設備投資のコストに見合わない場合などもあり今後人工知能や画 像処理技術の更なる進化を期待している状態となっています。 また、現物を作る前にオフラインで生成されたデータをェックするシミュレーション技術の発展により設計工数 の削減と調整、現場立ち上げ時間の削減が行われ企業による設備導入負担の軽減が今後の設備導入の課題となっ ていくと思われます。
FA機器の将来
生産拠点は海外だけではなく国内にもあり、国内の生産拠点には別の課題があります。それが少子高齢化に伴う 労働人口の減少です。ある調査によると、2030年に日本の就労世代である16～64歳までの人口が現在より1,400万 人減少すると予測されています。現在のような人間に依存した「ものづくり」は、人手不足によって困難を極めて いくでしょう。また、今までの生産現場では職人技による属人化や技術の継承が困難といった課題が多くみられる ようになり、このような少子高齢化による労働人口減少や後継者不足という課題を解消するためには、省人化を 実現できるFA化が企業の競争力を維持するのに欠かせないものとなっています。
