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ファクトリーオートメーションのPoC開発とは

ファクトリーオートメーションの開発では、様々な開発手法にて進められます。
なかでも これまでにないコンセプトを実証するためのPoC開発は、IT業界以外の分野でも頻繁に用いられる方法です。
ここでは、PoC開発という手法が有効となる場面や、メリット、手順、プロジェクトを成功させるためのポイントを紹介します。

そもそもPoC開発とは
PoC は(Proof of Concept)の略で、日本語で「概念実証」と訳され、「実証実験」とほぼ同じ意味で使われます。 PoCは新しい概念や理論、原理、アイディアの実証を目的とした、試作開発の前段階における検証やデモンストレーションのことを指します。 PoCがIT業界で注目されている背景には、企業でのIT活用が、業務効率化のための「コーポレートIT」から、ビジネスの成長や売り上げに直接寄与する「ビジネスIT」へ領域を広げたためだと言われています。 企業は多大な投資を行い、本格的にプロジェクトが始まった後で思うような結果が得られなければ損失も大きいため、前段階で投資判断の間違いが起こらないようにPoC (Proof of Concept)が行われます。

目次

  1. PoCの進め方
  2. 第1ステップは試作、実装
  3. 第2ステップは検証
  4. 第3ステップは実現可否の判断
  5. PoCのメリットは
  6. 想定しているコンセプトの装置が実現できるか事前に確認できる
  7. 工数や人員コストの削減につながる
  8. 費用対効果を検証可能
  9. PoCを成功に導くポイントは?
  10. 実際と同じ環境で行う
  11. 小規模な検証から始める
  12. 弊社でお手伝いできること

PoCの進め方

PoC開発の工程には大きく3つのステップがあります。

第1ステップは試作、実装

まず第1ステップで行うことは、コンセプトを検証するための試作機を製作することです。コンセプトを検証するためだけの、短期間且つローコストで製作できる装置とすることが重要です。

第2ステップは検証

第2ステップでは、それを実際に見てもらう/使ってもらうことで、関係者や被験者からのフィードバックを収集します。

第3ステップは実現可否の判断

最後のステップで検証結果に基づき実現するための投資を行うかどうかを判断します。効果が得られると判断された場合には、予算が与えられ装置の実装に進みます。
効果が得られない場合でも、PoC段階では大規模な投資が行われていないので プロジェクトの中止、もしくはコンセプトを修正して再度PoCを開始します。

PoCのメリットは

上記のようにPoCの実施には大きな手間とコストがかかりますが、それ以上に 次のようなメリットを持ちます。

想定しているコンセプトの装置が実現できるか事前に確認できる

最大のメリットと考えられるのが、「実際に完成するかどうかが確認できる」というところです。
ローコストな試験機で検証し、実現の可能性を確認できるため 、実際の装置として投資するかの判断材料として大きな意味を持ちます。
大規模な投資をしたが技術的な問題で完成形にならなかったという状況を極力減らすことができます。

工数や人員コストの削減につながる

PoCは、①ように装置の実現可能性を事前検証することで、工数や人員のリソースを効率的に運用できます。
実際に実現可能かどうかという疑問を早い段階で解決することは、装置開発において重要な工程です。

費用対効果を検証可能

試作機の動作をユーザーに実際に見てもらえるのも重要な要素です。実際の状態を見てもらえるため、期待と乖離していないかユーザーに早い段階で確認してもらうことができます。
結果的に、無駄な軌道修正によるコスト増大などのリスクが低減されます。

PoCを成功に導くポイントは?

PoCを成功させるためには、以下のポイントを意識することが大切です。

実際と同じ環境で行う

異なる環境による検証では意味がありません。可能な限り実際の環境を再現するべきです。
本来の使用条件による正しい結果を確認することでこそ、PoCを行う意味があります。

小規模な検証から始める

例えばロボットにカメラを持たせた画像処理システムであれば、カメラと照明だけ用意するといった具合です。
いきなりラインなどに実装した場合、失敗した場合は再調整などに多大な労力やコストがかかります。
1つずつ小規模な要素を検証した結果を積み重ねることが重要です。

弊社でお手伝いできること

工場の検査工程で使用されるマシンビジョンを導入する場合でも、
実際にやってみなければ分からないといった内容が多いことから PoCを行う必要があります。
弊社では、画像処理専門のエンジニアが在席しており、概念実証から導入までのお手伝いが可能です。

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