エンジニアに必要とされる知識
そして実はいま、こうしたファクトリー・オートメーションの進展により、エンジニアに求められるスキルも大きく変わってきています。なぜなら、いまIoTやAIといった技術によってハードウェアとソフトウエアの融合が進んでいるからです。
IoTの世界では、工場の工作機械や装置と、電子部品であるセンサー等が上位システムとつながっています。また、これからのものづくりに必要不可欠な産業用ロボットや工場内の製造設備に関連するシステムも、各エンジニアがかかわる要素部品や要素技術が集約されたものです。従来は、機械設計エンジニアも電気・制御エンジニアも、非常に専門性が高く、各々の専門領域のことだけを理解していればよかったのですが、これからはそうはいきません。エンジニアもまた他の領域の知識とつながる必要があるのです。これからの機械系エンジニアは、誰もがセンサーの基礎知識を学ぶべきですし、さらにはソフトウェアの知識も身につけたほうがよいでしょう。電気設計エンジニアは、機械(ハード)と電気・制御(ソフト)を結びつける存在として、電気・制御に関する専門的な見識だけではなく、IoT全体を展望する力が必要になります。いずれにせよ、専門性に長けたエンジニアではなく、専門的知識に加え全体のノウハウを持ったエンジニアが重宝されるようになるのは間違いないでしょう。さらに言えば、最近では「ロボット倫理学」のような全く新しい専門分野も生まれてきています。
こうした変化は、すでに現実になってきています。私たちの身の回りにあふれる家電や自動車、そして産業を支える様々な製造設備は動作する上で制御設計が欠かせません。例えば、大学では、単に機械だけを扱う「機械工学」から、機械の制御(ソフトウェア)や製造工程全体のシステムなども含めた機械を動かす仕組み全体を学ぶ「機械システム工学」へ徐々に移行しつつあります。また、電気・電子の世界でも、近年では同様に、電気・電子工学から「電気・電子システム工学」へと名前を変えるところもでてきています。
まとめ
今後は、製造業で利用される産業用ロボットだけでなく、家庭や病院といったサービス分野で利用されるロボット市場も急成長するものとみられており、各分野のエンジニアの知識・スキルの融合は今後より一層進むものと考えられています。よって、機械や電気系エンジニアに求められるスキルも、より広範囲で総合的なスキルを要求されることになっていくでしょう。これからは、エンジニア個人の意識も変わっていかなければなりませんし、様々な分野にアンテナを張っておかなければなりません。エンジニアは専門知識だけを磨き続ければよいという時代は終わりつつあるようです。
当社エンジニアにおいても各エンジニアの担当範囲の専門的知識にとらわれず、その周辺の技術的なノウハウ、知識に常に敏感でなければならないと考えています。そういったエンジニア人材の育成にも注力しているところです。
当社では、ものづくりにおける省人化・省力化設備の開発から製造・組立を行っております。メカ設計、制御・電気設計、画像処理、ソフトウェア開発、製造、組立・据付といったエンジニアリング業務をワンストップで対応しております。自動化、省人化をご検討の際やお困り事などございましたら是非当社へお声がけ下さい。